レポートの書き方の要点

心理学 実験・研究レポートの書き方―学生のための初歩から卒論まで 心理学マニュアル 質問紙法 心理学マニュアル 要因計画法 心理学マニュアル 観察法
心理学マニュアル 研究法レッスン 心理学研究法―データ収集・分析から論文作成まで (コンパクト新心理学ライブラリ) ユーザーのための教育・心理統計と実験計画法―方法の理解から論文の書き方まで 心理学・社会科学研究のための 調査系論文の読み方

始める前に…>研究史…>目的…>方法…>結果…>考察…>結論…>文献…>その他…>PDFファイルの作成


  1. 始める前に
    • 内容を意識する
      • 実験調査(レポート)のテーマを選択した理由
      • 何を行ったのか.
      • 何を伝えたいのか.
      • 中心(根底)に据えるものは何か.
    • 他者を意識する
      • 「ある特定の内容(事柄)」を正確に分かり易く伝える.
      • 表現を簡潔に(内容を凝縮)するよう心がける.
      • 文字や図表の視認性に注意する.
    • その他
      • 実験調査の方法・手続き・結果は整理されてるか.
      • これまでの研究結果などをふまえた上で,結果をどのように考えたか.
      • 事前の予測と一致しているか.

  1. 研究史・研究背景・既往研究
    • 3つのうちのいずれでも良い.心理系論文では「研究史」,建築系論文では「既往研究」という記述が多い.
    • 文献を引用することが中心となるわけだが,引用文の記述方法は「柳瀬(2002)によると“地球は丸い”のであるが…」

      もしくは,

      「“地球は丸い(柳瀬, 2002)”というように…」

      となる.


  1. 目的
    • 何を調べて,何を明確にするために実験・調査を行ったのかを簡潔に記述する.
    • 独自の目的を設定する場合は,テキストと一致しなくて良い.
    • 研究史・研究背景・既往研究と関連づけて,研究の必要性が論理的に導き出されていると良い.
    • 表現は「現在形」とする.

  1. 方法
    • 他者が「同じ事をできるような説明」をする.
    • 表現は「過去形」とする.
      1. 実験条件
        • 実験場所:○○大学××号館△△教室
        • 実験日時:○○年××月△△日 ○○時~××時
        • 実験環境:明るさ・騒音の有無・気温などを必要に応じて
      1. 被験者
        • 年齢:10代・20代・30代…という設定も可
        • 性別:男女比を記述する
        • 職業
        • 健康状態
        • 謝礼の有無
      1. 実験材料・装置
        • 刺激に関する情報を詳しく提示する.
        • パソコンを使った際には,機種やスペックなどを示す.
        • 写真を貼ったり,図で示すことも重要.
      1. 実験手続き
        • 実験手順を箇条書きで簡潔に記述する.
        • 図を用いて示すのが望ましい.
        • 被験者に対して与えた指示(インストラクション)を明記すること.
      1. その他
        • 実験・調査時に気になったことや,質問されたことを書く.
        • 必要と感じたことがあれば追記する.

  1. 結果
    • 図表を駆使して,多くのデータを簡潔にまとめる作業に終始する.
      1. 図表作成時の注意点
        • 必要であるか良く考える.図表の無駄は大きなマイナス.
        • 読み手が理解し易いか否か.
        • 伝えたい情報が全て含まれているか否か.
        • 内容に相応しいグラフ(折れ線・円・棒・散布)を用いる.
        • 図表に示す数値の桁数は統一する.
      1. 図表の掲載に必要なもの
        • 通し番号
        • できるだけ簡潔な表題
        • 表に含まれる「数値の単位」,グラフの場合は「縦軸・横軸の説明」など
        • 本文を読まなくても,ある程度は理解できるような「脚注(説明)」
      1. その他
        • 基本的にモノクロで作成する.
        • 記号を用いる際は,その説明を忘れないこと.
        • パソコンを用いる際は,プリント設定やレイアウトを工夫して,1枚の紙に複数の図表が印刷されるように工夫する.紙の無駄使いは減点の対象としますので注意しましょう.
    • 文章は「データの処理方法・処理結果・図表の説明」となる.したがって,「図○に示すように…であった」「表×から理解されるように…有意さが見られた」「…という結果が示された(図△)」というような表現を用いることとなる.
    • 基本的に表現は「過去形」でまとめる.
    • 分析に用いた数式を示す必要は原則として無い.
    • 検定結果のまとめかたなどは,個々の相談に応じる.

  1. 考察
    • 研究史・研究背景・既往研究で扱った内容からの多少の逸脱は良しとする.
      オリジナルな結果の解釈を試みることが大切.
    • 参考文献を引用することも必要だが,それがメインとなってはいけない.
    • 実験・調査前に予想していた仮説と一致した結果が得られたか否か.どちらにしても,そこから考えられることを記述する.
    • 結果の整理と対応させて書くことが望ましい.
    • 正解は無いと言っても過言ではないので,自由に記述すること.ただし,実験・調査のデータに基づいた範囲で行う点に注意する.

  1. 結論
    • 結果と考察を簡潔にまとめる.箇条書きを中心としても良い.
    • おわりの部分に,反省点や今後の課題を明示することが望ましい.

  1. 文献
    • 引用文献は必ず書かなければならない.
    • 参考とした文献も全てを書くことが望ましい.
    • 記述方法は学問分野によって異なるので,各自で調べること.図書館で専門書や論文を一読すると容易に理解できるはずです.

  1. その他
    • 文章は「~である」調に統一し,「~です」「~ます」調は用いない.
    • 主語を明確にするように心がける.
    • 文章は短く切って,だらだらと長くしない.
    • 固有名詞などの略し方: 認知距離(Cognitive Distance: 以下“CD”とする)
    • 被験者の名前など,プライベートに関係するデータは記述しないこと.

  1. PDFファイルの作成
    • 利用するエディターに依存するので,各自マニュアルを読むこと.
    • LaTexの場合は「dvipdfm→半角スペース→ファイル名→return」という手順にて作成できる.